ブログ名　　　　ねこの井戸端

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ふしぎの国のアリスではないが、転げ落ちてしまったところが井戸端会議の真っ最中

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2019-10-12 16:35　

　　【万葉難訓歌　邑礼左變】

不念乎（おもはぬを）思常云者（おもふといはば）天地之（あめつちの）　　神祇毛知寒（かみもしらさむ）邑礼左變　　　　　【万Ⅳ-655】

上の三句は、（おもはぬを　おもふといはば　あめつちの）と切り出されたら、次の下二句にワクワクするよね。
その4句目の【神祇】を（かみ）でまとめるより、（じんぎ）として、（じんぎもしるか）と詠み、「天つ神と国つ神はご存知であろうが」とはっきり打ち出すべきである。

そして肝心の【邑】は想定通り（くに）ではあるが、彼は此処でも、【礼】を誤字として【社】（こそ）としているのだ。
つまり、【邑礼左變】（くにこそさかへ）としているのだが、【礼】を（ら）と訓んでこそ、（くにらさかへむ）ではないだろうか？

もちろん恋歌ではなく、大伴駿河麻呂（おおとものするがまろ）の経歴に裏打ちされたものなのだ。

当初朝廷では消極的な態度を取っていたが、7月に征討実施を決定し、8月上旬には坂東諸国に対して援兵を発するように命じている。
8月末になると駿河麻呂は一転して、蝦夷の侵略は軽微である上に、草木が繁茂する季節で軍事行動に不適であるとして軍事行動の中止を求める。
そのため、この首尾一貫しない奏上について、駿河麻呂は朝廷から譴責（けんせき）を受けているのだ。

しかし、10月に入り駿河麻呂は陸奥国遠山村（登米郡か）まで侵攻して大きな戦果を挙げ、名誉は回復したのだが、そのエピソードにこそ人柄が見えてくるってもんよ

おもはぬを　おもふといはば　あめつちの　じんぎもしるか　くにらさかへむ

きもち：

普通　　

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